我が家の窓はどれ一つとして同じサイズのものがありません。
産業革命の波がまだ建築に反映されていない1789年に建ったからでしょう。
おかげで、窓にカーテンを付けるにしても、ひとつひとつ高さと幅とを測ってから買いに行かなくてはなりません。市が立つ日にガリバルディ広場でカーテンの生地を扱っている店をいくつか見て回ります。
同じ生地でも、5センチ幅ごとにサイズの違うものをそろえているところもあります。そのあたりがさすがにインテリアを大事にするお国柄です。
もちろん、既製品を買ってくれば、労力がかからなくて済みますが、それぞれの窓に合わせて作ったカーテンはやっぱり見ていて気持ちがよいのです。
今回私は白いシンプルな生地ですが、リカーモという透かし模様が両脇に一列ずつ入っているものを選びました。ちょうど、サイズ違いで布が揃っていたのも決め手でした。
カーテンに通す棒にはあまり凝らず、ごく一般的な真鍮のものを使います。サイズの変化にも対応できますし、何より、こういうオーソドックスなものに勝る美しさは意外とないものなのです。
さて今回はシンプルなつくりなので、仕立て屋さんには出さずに、久しぶりに針仕事です。
<su misura (ス・ミズーラ)>:イタリア語でサイズに合わせてあつらえたという意味。
オーダーメイドに近い。